洋書をたずねて3千字

海外小説の1章目を翻訳して紹介しています。

『森と星空が出会うところで』Glendy Vanderah(2019)

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その少女は取り替え子かもしれない。彼女の青白い顔、パーカー、ズボンは、背後の薄暗い森の中へ消えかかった。彼女の足は裸だった。

彼女はヒッコリーの木の幹に片腕を回してじっとしていた。車が砂利道の端まで来て、数ヤード先で止まっても彼女は動かなかった。車を止めると、ジョーは少女から目をそらし、助手席から双眼鏡、バックパック、データシートをかき集めた。目を離せば、その子は妖精の世界に戻ってしまいそうだった。

しかし、ジョーが車から降りると、少女はまだそこにいた。「見えるわよ」ジョーはヒッコリーの上にできた影に言った。「知ってる」少女はそう言った。

ジョーのハイキング・ブーツが、乾いた泥の破片をコンクリートの歩道に撒き散らした。「何か必要なの?」

少女は答えなかった。

「なぜ私の敷地にいるの?」

「あなたの子犬を撫でようとしたんだけど、させてくれなかった」

「私の犬じゃないわ」

「誰の犬?」

「誰のものでもない」彼女は網で囲まれたポーチのドアを開けた。「明るいうちに帰ったほうがいいわよ」彼女は外の電球をつけ、家のドアの鍵を開けた。ランプを点けた後、木製のドアに戻り、鍵をかけた。まだ9歳くらいの女の子だけど、何か企んでいるかもしれない。

15分後、ジョーはシャワーを浴びて、Tシャツ、スウェットパンツ、サンダルを身につけた。彼女はキッチンの照明をつけると、黒い窓に虫たちが静かに集まってきた。グリルを準備しながら、彼女はヒッコリーの木の下にいる少女のことをぼんやりと考えていた。彼女は暗い森が怖くて、いつまでも居られないだろう。彼女は家に帰っただろう。黄色い下見板の家と、月明かりに照らされた数エーカーの草原を隔てる、雑草の生えた芝生の上の焚き火台に、ジョーはマリネした鶏の胸肉と3本の野菜の串刺しを持ってきた。

キニー・コテージと呼ばれる築40年の貸家は、森に面した丘の上に建っており、裏手には小さな草原が広がっていた。この草原は、侵食する森を防ぐためにオーナーが定期的に焼いていたものだ。ジョーは焚き火台に火を灯し、その上に調理用の網を置いた。鶏肉と野菜串を並べていると、家の角を黒い影が回ってきて、彼女に緊張が走った。あの女の子だ。彼女は火のそばで立ち止まり、ジョーが最後の串を鉄板の上に置くのを見ていた。「コンロはないの?」と彼女は尋ねた。

「あるわよ」

「どうして外で料理するの?」

ジョーは四つのボロい芝生用の椅子の一つに座った。「好きだからよ」

「いい匂いだね」

 もし彼女が食べ物を物色しに来たのであれば、食料品を買う時間のないフィールド生物学者の空の棚にがっかりするだろう。彼女は地元の人のような田舎臭い言葉で話し、裸足は隣の敷地から来た証拠だった。彼女は夕食のために家に問題なく帰ることができた。

彼女は近づき、炎が彼女のりんご色の頬と金色の髪を染めたが、目だけは、まだ精気を欠いた黒い穴でしかなかった。

「そろそろ家に帰ってもいい頃だと思わない?」ジョーが言った。

彼女は近寄ってきた。「私は地球に家がないの。私はあそこから来たのよ」彼女は空を指差した。

「どこから?」

おおぐま座

「星座の?」

 少女はうなずいた。「私はかざぐるま銀河から来たの。大熊のしっぽのそばにあるわ」

ジョーは銀河について詳しくなかったが、子供が考えつきそうな名前だと思った。

「かざぐるま銀河なんて聞いたことない」とジョーは言った。

「あなたたちはそう呼んでいるけど、私たちは別の名前で呼んでいるの」

やっと彼女の目が見えた。彼女の視線の中の知的なきらめきは、彼女の童顔にしては妙に鋭いもので、ジョーはそれを、彼女が楽しんでいるサインとして受け取った。「もし宇宙人なら、なぜ人間の顔をしているの?」 

「この子の体を使っているだけ」

「その子に家に帰るように言ってくれない?」

「彼女が帰ることはできないわ。体を借りたとき、彼女はすでに死んでいたの。家に帰れば、両親が怖がるよ」

それはゾンビごっこだった。ジョーはそういうゲームを聞いたことがあった。しかし、その少女が宇宙人ゾンビごっこで遊んでくれる人を探しているとしたら、来る家を間違えた。ジョーは子供やおままごとが苦手だった。自分がその少女と同じくらいの年齢だったときでさえも。科学者であるジョーの両親は、彼女が分析家の遺伝子を二つも持っているためにそのようになったとよく言っていた。彼らは、彼女が子宮から出てくると、まるで自分がどこにいるのか、分娩室にいる人たちは誰なのか、ということについて仮説を立てているかのように、意図的に顔をしかめていた、とよく冗談を言っていた。

人間の体を持つ宇宙人は、ジョーが鶏肉を裏返すのを見ていた。

「夕食には家に帰った方がいいよ」ジョーは言った。「親が心配するよ」

「言ったでしょ、私は持っていないーー」

「誰かに電話する必要がある?」 ジョーはズボンのポケットから携帯電話を取り出した。

「私は誰に電話すればいいの?」

「私が電話するのはどう?あなたの番号を教えて」

「星から来た私に番号があるわけないでしょ?」

「あなたが体を奪った女の子はどうなの?彼女の番号は?」

「私は彼女のことは何も知らないわ。名前でさえ」

彼女が何を企んでいるのかは分からなかったが、付き合うには疲れすぎていた。ジョーは朝の4時から起きていて、13時間以上も高温多湿の中、野原や森の中を歩き回っていた。この数週間、ほぼ毎日それを繰り返していたので、毎晩コテージで過ごす数時間は大切な息抜きの時間だった。「このままでは、警察を呼ぶわよ」と、彼女は厳しい口調で言った。

「警察は何をするの?」彼女は、まるでその言葉を聞いたことがないかのように言った。

「あなたを家に連れてってくれるわ」

 少女は痩せた体に腕を組んでいた。「家がないって言ったら、どうなるの?」

「警察署に連れて行かれて両親か同居人を捜される」

「その人たちに電話して、彼らの娘は死んでいると知ったら警察はどうするの?」

ジョーは、今度は怒ったふりをする必要はなかった。「あのね、この世界で一人でいるのは簡単じゃないのよ。あなたのことを心配してくれる人のところへ帰るべきだわ」

少女は腕を胸に締め付けたが、何も言わなかった。

その子には、現実を知るための脅しが必要だった。「もし本当に家族がいなければ、警察が里親を探してくれる」

「何それ?」

「見ず知らずの人と一緒に生活して、時には意地悪されるから、警察を呼ぶ前に家に帰った方がいいよ」

少女は動かなかった。

「私は本気よ」

ここ数日ジョーの家の焚き火で餌をねだっていた成長途中の犬が、火の光の外側の輪の中にこっそり入ってきた。少女は屈んで手を出し、高い声で犬を撫でさせてくれとせがんだ。

「この子は近寄らないわ」ジョーが言った。「この子は野犬よ。たぶん森の中で生まれたんだわ」

「母親はどこにいるの?」

「誰にもわからないよ」ジョーは携帯電話を置き、串を回した。「家に帰るのが怖いのは何か理由があるの?」

「どうして星から来たことを信じてくれないの?」

頑固な子供はやめどきを知らなかった。「宇宙人だなんて誰も信じないわよ」

少女は草原の端まで歩き、顔と腕を星空に向けて、宇宙人の言葉のように聞こえると思われるちんぷんかんぷんな言葉を唱えた。彼女の言葉は、彼女がよく知っている外国語のように流れていき、それが終わると、彼女は腰に手を当てて、にこやかにジョーに向かって言った。

「宇宙人の仲間たちに連れて帰ってくれるように頼んでいたことを願うわ」ジョーが言った。

「今のは挨拶」

「挨拶ーーいい言葉ね」

少女は火の明かりに戻った。「まだ帰れない。奇跡を5回見るまでは、地球にいなければならないの。ある年齢になると、訓練の一環として行われるのーー学校のように」

「あなたはしばらくここにいるでしょう。ここ数千年は、水はワインに変えられていないもの」

「聖書のような奇跡のことじゃない」

「どんな奇跡?」

 「何でもいいの」少女は言った。「あなたは奇跡だわ、あの犬もね。これは私にとっては全く新しい世界だわ」

「よかったね、もう二つも見れたの」

「いや、本当に良いもののために取っておくよ」

「あっ、そう」

少女はジョーの近くで芝生の椅子に座っていた。焼いている鶏肉は、火に油を滴らし、美味しそうな香りで夜の空気を燻していた。その子はそれをじっと見つめていた。彼女の飢えは現実のものであり、想像上のものではなかった。彼女の家族は食べ物を買う余裕がなかったのかもしれない。ジョーは、すぐにそのことを思いつかなかったことに驚いた。

「家に帰る前に、何か食べ物をあげるのはどう?」彼女は言った。「七面鳥ハンバーガーは好き?」

七面鳥バーガーの味なんてわかるわけないでしょ」

「食べるの?食べないの?」

「食べる。ここにいる間は新しいことに挑戦することになっているからね」

ジョーは鶏肉を弱火のほうに移し、家に入って冷凍のハンバーグと調味料、バンズを用意した。彼女は冷蔵庫にあった最後のスライスチーズを思い出し、女の子の夕食に加えた。この子は自分よりもチーズを必要としているだろう。

ジョーは庭に戻り、ハンバーグを火の上に置き、残りは傍らの空いた椅子の上に置いた。「チーズのトッピングが好きだといいわ」

「チーズのことは聞いたことがあるわ」と少女は言った。「おいしいって言ってた」

「誰が言ったの?」

「すでにここに来たことのある人たち。来る前に地球のことを少し勉強するの」

「あなたの惑星はなんて言う名前?」

「あなたたちの言葉では言いにくいんだけどーーヘトライェみたいな感じ。マシュマロはある?」

「ヘトライェ人はマショマロについて教えてくれたの?」

「子供たちは棒につけて火で溶かすんだって。それがすごくおいしいんだって」。

ジョーは、コテージに引っ越してきたときに気まぐれで買ったマシュマロを、ようやく開ける口実ができた。彼女はマシュマロが古くなる前に使ってしまおうと考えた。彼女は台所の戸棚からマシュマロを取り出し、袋ごと宇宙人の膝の上に置いた。「ご飯を食べてから開けなさい」

宇宙人は棒を見つけて椅子に座り、マシュマロを膝の上に大事そうに乗せ、黒い瞳で調理中のハンバーガーを見つめた。ジョーはバンズを焼き、皿の上のチーズバーガーの横に、こんがり焼いたじゃがいも、ブロッコリー、マッシュルームの串焼きを置いた。彼女は飲み物を二つ持ってきた。「アップルサイダーは好き?」

少女はグラスを手に取り、一口飲んだ。「とっても美味しい!」

「奇跡として数えるほど美味しい?」

宇宙人は「いや」と言いながらも、数秒でコップの半分以上を飲み干した。

ジョーが最初に一口食べたときには、少女はほとんどハンバーガーを食べ終わっていた。「最後に食べたのはいつ?」彼女は聞いた。

「私の惑星で」と宇宙人は食べ物で膨らんだ頬で言った。

「それはいつ?」

彼女は飲み込んだ。「昨日の夜」

ジョーはフォークを置いた。「丸一日食べてないの?」

女の子は角切りのじゃがいもを口に入れた。「今まで食べたくなかったの。地球に来て、体が変わったりして、体調が悪かったの」。

「じゃあ、どうして飢えたように食べているの?」

少女はハンバーガーの最後の一切れをちぎり、半分をおねだりする子犬に与えた。犬は少女と同じ速さでそれを飲み込んだ。宇宙人が手に持っていた最後の一切れを差し出すと、子犬は前に出てきて、彼女の指からそれをつまみ、食べながら後退していった。

「今の見た?」彼女は言った。「私の手から取ったわ」

「見たわ」ジョーが見たのは、本当に困っているかもしれない子供の姿だった。「あなたが着ているそれってパジャマ?」

女の子は自分の細いズボンをちらりと見た。「人間でいうところのパジャマだね」 

ジョーは、鶏肉をもう一口分切り落とした。「あなたの名前は何?」

少女は膝をついて、子犬に忍び寄ろうとしていた。「私には地球人の名前はないわ」

「宇宙人の名前は?」

「言いにくいの・・・」

「言ってみてよ」

「イヤプード・ナ・アスルオって感じ」

「イヤプー・・・?」

「違うよ、イアプード・ナ・アスルオだよ」

「じゃあ、イヤプード、なぜここにいるのか本当のことを教えて」

彼女は臆病な犬に見切りをつけて立ち上がった。「マシュマロを開けてもいい?」

ブロッコリーを先に食べて」

彼女は椅子の上に置いてあった皿を見て言った「あの緑のやつ?」。

「ええ」

「私の星では緑のものは食べません」

「新しいことに挑戦するって言ったじゃない」

少女は三つのブロッコリーを素早く口に詰め込んだ。頬の膨れを噛みながら、彼女はマシュマロの袋を破った。

「あなたは何歳?」とジョーが尋ねた。

少女は最後のブロッコリーを力を込めて飲み込んだ。「私の年齢は人間には理解できないでしょう」

「あなたが奪った身体は何歳?」

彼女はマシュマロを棒の先に突き刺した。「わからないよ」

「本気で警察を呼ばないといけないな」ジョーが言った。

「どうして?」

「理由は分かっているでしょう。君は9歳・・・10歳かな?夜中に一人でいるなんて。誰かがあなたをまともに扱っていないんだわ」

「警察を呼べば、私は逃げるだけよ」

「どうして?助けてくれるのよ」

「意地悪な知らない人とは住みたくない」

「さっきのは冗談よ。きっといい人が見つかるわ」

女の子は三つ目のマシュマロを棒に突き刺した。「こぐまちゃんはマシュマロが好きかな?」

「こぐまちゃんって誰?」

「私の隣の星座、小熊座から子犬をそう名づけたの。熊の赤ちゃんに似ていると思わない?」

「マシュマロはあげないでね。彼が必要としているのは砂糖じゃないわ」ジョーは鶏肉から最後の欠片を引き剥がし、犬に投げ与えた。目の前の少女に気が散って、食べ終える気になれなかった。肉片が犬の胃袋の中に消えると、彼女は二本の串に刺さった残りの野菜を犬に与えた。

「優しいのね」少女は言った。

「私はバカよ。これでは絶対に追い払えないわ」

「うわっ!」少女は、火のついたマシュマロを顔に持ってきて、口で吹いた。

「まず冷ましてから」ジョーは言った。

彼女は待たずに熱くて白いスライムを伸ばしながら口に入れた。マシュマロはあっという間に消えてしまい、ジョーが台所に食器を運びながら、少女は追加のマシュマロを焼きはじめた。彼女は手早く食器を洗いながら、新たな戦略を考えた。悪い警官の脅しは明らかに役に立たない。彼女から何かを聞き出すには、彼女の信頼を得なければならない。彼女は地面にあぐらをかいて座り、こぐまちゃんが彼女の手から溶けたマシュマロを嬉しそうに舐めているのを見つけた。「あの犬が人間の手から食べるなんて、信じられないわ」彼女は言った。

「人間の手であっても、私がヘトライェから来たことを知っているのよ」

「それがどう役に立つの?」

「私たちには特別な力がある。良いことを起こせるのよ」

可愛そうに。彼女の苦しい状況が、妄想を引き起こしたに違いない。「君の棒を借りてもいい?」

「マシュマロのため?」

「いいえ、あなたを私の土地から叩き出すためよ」

少女は左の頬に深いえくぼを作って笑った。ジョーは二つのマシュマロを棒で貫き、火の上にかざした。少女は芝生の椅子に戻り、野犬は彼女が奇跡的に手なずけたかのように足元に横たわっていた。マシュマロの両面が完璧な焼き色になり、十分に冷めると、ジョーは棒から外してそのまま食べた。

「大人がマシュマロを食べるなんて知らなかったわ」少女は言った。

「地球人の子供たちが知らない秘密よ」

「あなたの名前は?」少女は尋ねた。

ジョアンナ・ティール。でも、ほとんどの人はジョーと呼ぶわ」

「ここで一人暮らしをしているの?」

「夏の間だけよ。この家を借りているの」

「なぜ?」

「この近所に住んでいるなら理由は分かるでしょう」

「この近所には住んでいないわ。教えてよ」

ジョーは、自分が善良な警官を演じていることを思い出し、その嘘に異議を唱えたい衝動を抑えた。「この家とその周りの70エーカーの土地は、キニー博士という科学教授が所有している。彼は他の教授や大学院生に、研究のために使わせているの」

「どうして彼は住みたがらないの?」

ジョーはマシュマロの棒を焚き火台の石に立て掛けた。「彼がここを購入したのは40代の頃。夫婦で別荘にして、小川で水生昆虫の研究をしていたんだけど、6年前からここに来なくなった」

「なんで?」

「二人とも70代で、奥さんは病気のために病院の近くにいなければならなかったの。今、彼らはこの家を収入源にしているけど、科学者にしか貸していない」

「あなたは科学者なの?」

「そうよ、まだ大学院生だけど」

「それはどういう意味?」

「大学の最初の4年間が終わって、今は授業を受けたり、助手をしたり、PhDを取るための研究をしたりしているということ」

「PhDって何?」

「博士号のこと。それを取得すれば、大学の教授として仕事ができるの」

少女は犬の唾液にまみれた指を舐め、焦げたマシュマロが引っ付いた頬に擦り付けた。「教授というのは、先生だよね?」

「そう。そして、私の分野のほとんどの人は研究もしている」

「どんな研究?」

絶え間ない好奇心。彼女は偉大な科学者になるだろう。「私の専門は鳥類の生態学と保護」

「具体的には何をしているの?」

「質問はもう十分、イヤプー・・・」

「イヤプード!」 

「そろそろ帰ってくれない?私は早起きだから、もう寝ないと」ジョーは、蛇口をひねって、ホースを火へ引いた。

「消さなきゃいけないの?」

「スモーキー・ベアがそうしろと言ってる」水が炎を消すと、ヒューヒューと湯気を立てた。

「それ、悲しいね」少女は言った。

「何が?」

「湿った灰の匂い」窓から差し込む蛍光灯に照らされた彼女の顔は、まるで取り替え子に戻ったかのように青みがかっていた。

ジョーはキュッキュッと音のする蛇口の取っ手を締めた。「なぜここにいるのか、本当のことを教えてくれても良いんじゃない?」

「言ったよ」 少女は言った。

「さあ。私は家に入るけど、あなたをここに置いておくのは気が引ける」

「大丈夫だよ」

「家に帰るの?」

「行きましょう、こぐまちゃん」少女がそう言うと、犬は信じられないことに従った。

ジョーは宇宙人の取り替え子と彼女の雑種犬が立ち去るのを眺めた。彼らが暗い森の中に消えていく様子は、湿った灰の匂いと同じくらい悲しいものだった。

 

...続きが気になった方は、原著を購入して著者に還元しましょう🕊

 

原題:Where the Forest Meets the Stars
著者:Glendy Vanderah

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免責事項

当該和訳は、英文を翻訳したものであり、和訳はあくまでも便宜的なものとして利用し、適宜、英文の原文を参照して頂くようお願い致します。当記事で掲載している情報の著作権等は各権利所有者に帰属致します。権利を侵害する目的ではございません。